要請書関連 » 2007/01/12 要請書「ふたたび世田谷区二子玉川東地区再開発計画(とくに権利変換)の現況にかかわる件」

東京都知事・石原慎太郎様
東京都都市整備局・民間開発課、担当・関係各部局御中
ふたたび世田谷区二子玉川東地区再開発計画(とくに権利変換)の現況にかかわる件

2007年1月12日

日々のよりよいまちづくりのための尽力に、敬意を表します。
本件再開発組合は、昨年12月26日の総会で権利変換計画の認可申請を決議して、翌日世田谷区に提出し、世田谷区はこれを「形式審査」(担当部局)して本年1月5日、東京都に提出したとしています。東京都においては、認可申請をすでに受け取っていることでありましょう。 なぜかくも異常なやりかたで強引に認可手続きを進めようとしているのか、という一事にも、本件権利変換計画の重大な問題点と再開発計画そのものの適法性を欠く根本的な瑕疵が露呈しているといわざるをえません。 私たちがここにふたたび、「本件の権利変換計画は認可申請をするに足る適法な事由と条件を満たしておらず、仮に認可申請が提出されても認可されるべきではなく、東京都知事と担当・関係各部局において、法と正義に照らし都市再開発法125条、126条にもとづく厳正な監督責任を果たされるよう、強く要請」せざるをえないのは、かかる事態の緊急、重大性のためです。

  1. まず、世田谷区においては、年末の「御用納め」直前に受け取った認可申請を、年始の「御用始め」とともに東京都に回したことになり、この限られた時間での「形式審査」とは、実質上「素通り」でしかありえないでしょう。現に区担当部局は「再開発組合をこれまで指導、助言してきた」からだといって、認可申請が提出されれば事実上自動的に都にあげる態度だったことを表明しています。 私たちが反対権利者5人とともに昨年11月30日、世田谷区担当部・課長らと会見した際、「憲法以下関係法規に照らして許容されるべきでない不当、不法な実態」を具体的に指摘し、その実態を調査、監督、指導する厳正な対処を要請していたことからすれば、こうした行政の対処で問題点が具体的に改善、解決されたとはとうてい考えられません。 なかんずく、昨年11月9日の再開発組合総会において、権利変換計画の縦覧方法を巡り、違法な決議が区の担当部長以下職員の面前であからさまになされた事実をしかと認識させられた区が、「形式審査」で都あてに認可申請を提出するとは、組合員のみならず、区民全体に負っているみずからの責任と職務を放棄するに等しい不節操極まりなく、あきれ果てざるをえません。 かかる区の「指導、助言」のもとであればこそ、権利変換にいたる本件再開発計画の根本的な問題点が是正されていないのではないでしょうか。
  2. 私たちが世田谷区に対して説明、指摘した問題点は、昨年末の東京都民間開発課との会見(11月8日、12月15日)ならびに東京都知事・担当各部局あて要請文書(12月27日付)で詳細に示した、本件権利変換の「法に照らして不当、不法な実態」そのものです。 この実態が改められていないであろうことは、年末、年始の経過からも明らかでありましょう。 なにより、12月26日の再開発組合総会決議の賛成49は、権利者総数66の4分の3にも達しておらず、明確な不同意表明は、依然として総会出席権利者(57)中だけでも8にのぼり、権利変換では「財産が動くので全員同意が原則」(都民間開発課)あるいは「限りなく全員同意をめざす」(同)状態にはとうてい達していないという事実が、そのことの明白な証明です。
  3. 私たちが昨年12月27日付の東京都あて要請文書で指摘した7項目はいずれも、認可申請された権利変換計画が形式的に整っているとか、形式的に「多数決」で決められたとかみなしてすまされることがらではありません。仮にも、本件認可・監督庁たる東京都として、不当・違法行為が一再ならず存在した事実を知らされ認知していながら、世田谷区と同様な安易な感覚をもって、認可申請を「事務的に淡々と処理」して認めるようなことがあれば、憲法と関係法規に反する民主主義・財産権侵犯の人権侵害をもたらし、住民の生存権を侵犯して、とりかえしのつかない禍根を招くことになりかねません。 まして、本件再開発により、恒常的に続く環境被害を確実に被る周辺住民の私たちとしては、かかる違法行為を看過できる立場にあるはずもなく、今回の東京都の行政処分の経過と結果については、重大な関心をもって見守り、国民の権利を行使したあらゆる適法な手段をもって行動せざるをえません。
  4. ここで想起せざるをえないのは、本件再開発計画の事業認可にいたる経過です。 2004年6月に事業認可申請を受けた東京都は、同年夏に提出・陳述された150通近くの意見書の審査を含めて、「事業計画そのもの、周辺への影響、特に交通の流れについて」副知事以下「東京都全体で検討」した、と私たちは直接、民間開発課などから聞いていました。それだけに9ヶ月経って2005年3月、東京都知事が認可申請を認めたと聞いたときには、検討課題がなんら解決されたはずもないのに、どうしたことかと驚き、きわめて遺憾に思ったものです。 私たちは2005年11月に民間開発課と面談したさいにも、この点の説明を求め、そのための場を改めて設けることになっていましたが、今日にいたるまで納得のいく説明はされていません。 このように、本件再開発計画には、20数年前の準備段階から都市計画決定を経て、上述の事業認可の経過をたどり、今日の権利変換の段階にいたるまで、長年にわたって解決されないきわめて重大な問題点が累積してきています。それがここにいたって一挙に集中的に表れてきたといわざるをえません。

東京都知事と担当・関係各部局におかれましては、以上の諸点を十分考慮され、具体的に実態を把握し、「権利変換手続きのやり直し」を含む厳正な対処によって監督責任を果たされ、累積されてきた本件再開発計画の問題点を是正されることを、改めて要請いたします。

「にこたまの環境を守る会」
会長・野崎 宏

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